リハビリ何でも屋

理学療法士がリハ栄養やリハビリのことについて解説していくブログ。少しでも皆様のお力になれれば。

フレイルの治療・予防介入の考え方

 

フレイルは要介護状態の前段階と言われ、そのままにしておくと要介護状態へ移行してしまいます。

フレイルは可逆性であると考えられているため、この段階で適切な介入を行うことで要介護状態になることを防ぐことができると言われます。

 

フレイルの過去記事はこちら↓

 

rehabilitation-nutrition.hatenablog.com

rehabilitation-nutrition.hatenablog.com

 

 今回は、フレイルの治療・予防介入の考え方についてまとめたいと思います。

 

 

フレイルに対する介入の考え方

身体的フレイルの悪循環

フレイルは様々な要因が関与して起こります。

例えば上記の図のように、加齢により筋力が低下しそれが摂食・嚥下機能にも影響し、 食べることが辛くなり食欲が低下します。

するとエネルギー摂取量が少なくなるため、体内のエネルギー蓄積量が減少、低栄養状態となります。

さらに、動くためのエネルギーが不足している状態であることから、活動量が低下し、活動しないことでさらに筋力は低下します。

 このように要因が影響し合い、さらに状態が悪くなる身体的フレイルの悪循環を引き起こします。理学療法士はこの悪循環を打ち切るために、さまざまな側面から改善可能なものにアプローチすることが必要です。

 

フレイルの悪循環に対する介入の考え方

 

 筋力・持久力強化や歩行能力向上だけでなく、生活動作や補助栄養の摂取を促すなどの低栄養に対する介入も必要です。

理学療法士が個人でアプローチするのではなく、多職種で連携した包括的なアプローチが重要になります。

 

J-CHSの基準から考える介入方法

身体的フレイルの判断基準として、J-CHS基準というものがあります。

J-CHS基準

5つの項目(体重減少、筋力低下、疲労、歩行速度、身体活動)からなり、3つ以上当てはまればフレイル、1〜2つ当てはまればプレフレイルと診断されます。 

 

フレイルへの介入方法の考え方として、この5つの要素に焦点を絞った介入が有効であることが示唆されています。

 

フレイルに対する介入方法

 

理学療法士の介入としては、筋力強化やバランス練習、柔軟運動、有酸素運動などを組み合わせた複合的な運動が推奨されています。

 

加齢に伴うフレイルに対する運動介入の一般的な推奨内容

Nascimento CM, et al.:Sarcopenia,frailty and their prevention by exercise.Free Radic Biol Med.132:42-49,2019 より引用

 

最後に

今回はフレイルの治療・予防介入の考え方についてまとめました。

フレイルを取り巻く因子の中で、理学療法士として介入できるものを見定めて、適切に介入していきたいですね。

本日は以上です、ありがとうございます。

 

 

参考:高齢者理学療法