リハ栄養「rehabilitation-nutrition」な日々

理学療法士がリハ栄養やリハビリのことについて解説していくブログ。少しでも皆様のお力になれれば。

リハ栄養ケアプロセスについて解説します。その1

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リハ栄養は多職種が連携して対象者にアプローチします。そのため、一貫した流れが定まっていないとリハ栄養ケアの質や結果の評価が検証しにくくなります。

 

リハ栄養ケアプロセスは、栄養専門職による栄養ケアプロセスを参考して考案され、リハ栄養ケアに整合性、妥当性を持たせ、経過や結果を明確にするものです。

 

今回はこのリハ栄養ケアプロセスの定義と項目について解説します。

 

 

 

リハ栄養ケアプロセスの定義

リハ栄養ケアプロセスとは、「障害者やフレイル高齢者の栄養状態・サルコペニア・栄養素摂取・フレイルに関連する問題に対して、質の高いリハ栄養ケアを行うための体系的な問題解決手法」とされています。

 

リハ栄養ケアプロセスは、

  1. リハ栄養アセスメント・診断推論
  2. リハ栄養診断
  3. リハ栄養ゴール設定
  4. リハ栄養介入
  5. リハ栄養モニタリング

 

の5項目から構成されます。 

 

リハ栄養ケアプロセス

では各項目について解説していきます。

*項目が多いため、今回は1、2について解説します。

 

1.リハ栄養アセスメント・診断推論

 リハ栄養アセスメントでは、国際生活機能分類(以下:ICF)を用いて必要な情報を収集します。
アセスメントする時のコツとしては、リハ栄養に関連する情報をできるだけ細かく収集するということです。
 
評価指標の例を以下にあげます。

 

アセスメント評価指標



こういった情報は、実はそれぞれの職種が個別に収集しているものがほとんどです。

しかし、それらの情報を統合して全人的な評価につなげている例はまだまだ少ないと考えられます。また、これら全ての情報を一つの職種だけで集めようとするのにも、時間や手間がかかり非効率的です。

よって、それぞれの職種の強みを活かした情報収集を行い、それらの情報を共有することが重要です。

 

リハ栄養アセスメントに続いて、診断推論を行います。

診断推論とは、対象者の全体像から体系的に問題点を絞り診断を行うプロセスです。

診断推論を大別すると、パターン認識、分析的アプローチの2種類に分かれます。

 

パターン認識

対象者の特徴的なパターンから直感的に診断する方法です。

 

対象者の臨床所見から特定の疾患を疑い、それに対する裏付けとしての評価を実施し、診断を行うといった過程です。

 

この方法の利点は、経験を積んだものであれば正確、迅速かつ楽に診断をつけることができます。欠点としては、経験の浅い人の場合、パターンが形成されていないため推論が難しいという点です。

 

分析的アプローチ

仮設演繹法とも呼ばれ、仮説の形成と検証を繰り返し診断を考える方法です。

 

仮説形成は、対象者の話を聞いて鑑別診断のリストを作る作業で、検証はそのリストに上がった疾患の可能性を吟味する作業です。

 

 リハ栄養における診断推論は、リハ栄養学的問題点に関する有症率や検査後確率が不明なものが多く、パターン認識が現実的だと考えられています。 

 

 

リハ栄養診断

リハ栄養診断は、リハ栄養アセスメントで収集した情報を統合し、リハ栄養学的問題を端的な用語で表現します。
診断は大項目(3)と小項目(12) からなります。

リハ栄養診断項目

大項目①〜③は、認めなければ「なし」となります。

複数のリハ栄養診断をつけることもありますが、診断が多数になると問題点がぼやけてしまうため、3つ程度にとどめることが望ましいとされます。

診断に対しては、原因と根拠を明示する必要があります。

 

例えば、「低栄養」と診断した場合、原因は肺がんによる悪液質、根拠はESPEN診断的定義を用いた、というように明示します。

 

また、リハ栄養診断だけでなく、背景要因を決定した根拠についても可能な限りで明示するとよりわかりやすくなります。

 

 

 

最後に

 今回はリハ栄養ケアプロセスの定義と項目1、2について解説しました。
次回はその続きから書いていこうと思います。
 
本日は以上です、最後まで読んでいただきありがとうございます。
 
 

参考文献

:リハ栄養からアプローチするサルコペニアバイブル

 

 

 

 

 

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