リハビリ何でも屋

理学療法士がリハ栄養やリハビリのことについて解説していくブログ。少しでも皆様のお力になれれば。

体重変化率の算出方法とその評価について解説します

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リハ栄養において、体重はアセスメントに必要な情報です。

また、その体重が今後どれくらい変化するか、変化したかという情報は、チームアプローチする上で重要な予後予測の因子となります。

 

今回は、体重変化率の算出方法とその評価について解説します。

 

 

 

体重変化率の算出方法

理想体重(IBW)

理想体重(IBW)=身長(m)×身長(m)×22

ここでいう「理想体重」とは、

ヒトが肥満でもやせでもなく、一定期間内の死亡率や罹患率が有意に低いなど、最も健康的に生活ができると統計的に認定された理想体重のことであり、年齢・身長・体脂肪率といった要素の全部、あるいは一部から求めるもの。標準体重とも言う。

参照:Wikipedia

 とされています。

 

%IBW(理想体重)

%IBWは、現在の体重と理想体重とにどれぐらいの差があるかを計測します。

%IBW=現在の体重/IBW×100 

 

%IBWの評価

現在の体重が理想体重に比べて

・80〜90%=軽度栄養障害

・70〜79%=中等度栄養障害

・69%以下= 高度栄養障害

と評価します。  

 

 

UBW(通常時体重)

「通常時体重」は、現在の体重と比較するための「過去の体重」のことです。

おおよその期間が定められており、1週間前、1ヶ月前、3ヶ月前、6ヶ月前の体重を用いることがほとんどです。

UBW=現在の体重/通常時体重×100

 

UBWの評価

現在の体重が過去の体重と比べて

85〜90%=軽度栄養障害

75〜84%=中等度栄養障害

74%以下=高度栄養障害

と評価します。

 

%体重変化

UBWと現在の体重から、体重が期間内にどれぐらい変化したかを表します。

%体重変化=(UBW-現在の体重)/UBW×100

 

 %体重変化の評価

過去の体重の期間によってカットオフ値が定められており

1〜2%以上/1週間

≧5%以上/1ヶ月

≧7.5%以上/3ヶ月

≧10%以上/6ヶ月

の減少率がある場合、低栄養の可能性があることを示唆します。

通常は3ヶ月で7.5%、6ヶ月で10%の体重減少が認められる場合は重度の低栄養状態の可能性があり得ます。 

最後に

体重変化率の算出方法と評価について解説しました。

体重測定をするとこれだけ多くの情報を得られるので、栄養状態を管理する上でまめに測定しておくことをおすすめします。

 

栄養スクリーニングであるSGAの判定の基準にもなります。

SGAについては栄養スクリーニング『SGA』について解説しますをご参照ください。

 

また、寝たきりの方の体重を計算したい場合は、寝たきり高齢者における推定体重の計算方法についてまとめましたをご参照ください。

 

本日は以上です、最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

 

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